大判例

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大阪地方裁判所 昭和42年(わ)1916号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕(罪となるべき事実)

被告人は淀産業株式会社の工員で、大阪市旭区生江町一丁目二四番地所在の同会社従業員寮に居住している者であるが、昭和四二年五月二四日午後一〇時頃同寮内福里静夫方居室において、同寮である同人、小岸忠世及び泉進(当時三九才)と飲酒中、創価学会の信者である泉進と信心のことで口論し、同人により手挙で顔面を一回殴打され、話をつけるべく同人と同寮表路上に出た上さらに口論したが、同人が刃渡り約一四センチメートルの庖丁を左手に持ち、「どてつ腹に穴あけてやる。」旨申し向けながら詰め寄つて来たので、刺されるかも知れないと畏怖し、とつさに道路脇に置いてあつた長さ約九一センチメートル、巾約九センチメートル及び厚さ約五・五センチメートルの角材一本(昭和四二年押第六八一号)を両手で掴み上げ、右の如き同人の急迫不正の侵害に対し自己の身体を防禦するため恐怖と興奮のあまり防衛上必要の程度を超え、かつ右角材で同人の頭部を殴打すれば同人が死亡するに至るかも知れないがそれもやむを得ないと決意して、右角材を右斜め上から左斜め下に振り下ろすようにして同人の頭部付近を一撃し、同人が前記庖丁を地上に落してかがみ込むや、なおも同人が右庖丁を拾つて向つて来ると思惟し、さらに右角材を大きく回転しながら振り下ろすようにして同人の頭部付近を一撃し、同人に対し頭蓋骨骨折、大脳右半球挫砕等の傷害を負わせ、よつて同人をして同月二六日午後七時二五分頃守口市文園町一番地関西医科大学付属病院において右傷害に基く脳機能障害により死亡させて殺害したものである。

(法令の適用)

被告人の判示所為は刑法第一九九条に該当し、所定刑中有期懲役刑を選択するところ、右は過剰防衛であるから同法第三六条第二項、第六八条第三号に則り法律上の減軽をなした刑期範囲内で被告人を懲役三年に処し、同法第二一条を適用して未決勾留日数中一七〇日を右刑に算入し、訴訟費用については刑事訴訟法第一八一条第一項本文を適用して全部これを被告人に負担させることとする。(松浦秀寿 高沢嘉昭 清田賢)

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